真のエースとなるために、重要な年となる。
新成人となった奥川恭伸は今季、高卒3年目を迎えるが、1年目の2020年はシーズン最終戦に1試合登板したのみで、一軍の戦力として一年間帯同したのは昨季が初めて。21年は、実質的な2年目のシーズンとなる。
昨季はまさに飛躍の年だった。中9日以上の間隔を保ってローテーションを守り18試合に登板して9勝4敗、防御率3.26の好成績で6年ぶりのリーグ制覇に貢献。さらに、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦では98球でプロ初の完封勝利をCS史上最年少で飾り、日本シリーズでも第1戦の先発を任せられ7回1失点と快投し、20年ぶりの日本一達成の力となった。
さらなる成長が求められる今季への鼻息は荒い。
「間隔をもう少し詰めて、量の部分でも、もう少しチームに貢献できるように。イニングという部分を自分自身も頑張りたいと思いますし、そこを自分には求められていると思う。」
昨季は球団側の方針で登板間隔を空け、投球回も105。相手チームのマークが厳しくなるのは必至だが、再びチームが頂点に立つためには奥川の活躍は不可欠なだけに高い数字が求められる。
そして、目指すのは開幕戦のマウンドだ。「シーズンが始まって最初にマウンドに上がる投手ということで、先発投手みんなが目指して頑張っていると思いますし、自分もその一人としてそこの舞台に立てるように」と奥川。進化した姿を見せ、球団初の二年連続日本一に導く。
写真=BBM