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DeNA・石田健大 どんなポジションでもフル回転誓う/生え抜きの輝き

 

2年前の2020年はセットアッパーとして25ホールド、抜群の安定感を誇った。その感覚を取り戻したい


 最下位からの巻き返しを狙うチームのキーマンと言っても過言でない。生え抜き8年目を迎える石田健大は、今季もフル回転での貢献を誓っている。33試合で1勝2敗2ホールド、防御率5.73と不本意な成績に終わった昨季からの雪辱を期し、このほど横浜市内で行われたトークショーで「やり返さないといけない年。(この場面は)僕じゃないとダメだと思わせる投球をして、優勝したい」と力強く語った。

 昨季の石田は中継ぎでスタートしたが、開幕直後から不調が続いた。東京五輪によるシーズン中断に首脳陣と話し合いの機会を設け、後半戦は先発に再転向となった。だがそれも9月23日のヤクルト戦(横浜)の1試合のみ。4回5安打3失点で黒星を喫すると、以降は登板のないままシーズンを終えた。

 春季キャンプ中には、視察した日本代表の稲葉篤紀監督(当時)からも名前が挙がるほど期待されていた。かつて2年連続で開幕投手も務めた実力者のプライドもあるだろう。先発から救援に回るのに比べ、リリーバーの先発転向は調整面で難しいとされるが「僕自身の弱さがすべて。来年は同じ過ちを繰り返さないようにしたい」と断言する。

 その上で「自分は先発と中継ぎ、どちらもできるのが強み。どちらでも今まで以上の数字を出せるようにしたい。最大の準備をしたい」とあくまで与えられた役割を全うする姿勢を強調する。斎藤隆投手コーチが加わった首脳陣の判断はキャンプの注目ポイントの一つ。悲願の優勝を目指す男の意地が、浮沈のカギを握る。
写真=大賀章好
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