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ソフトバンク・松田宣浩 厳しい世界で、まだまだ輝く/生え抜きの輝き

 

新型コロナ感染からも1月27日に復帰した松田。開幕に向けて調整を続ける


 失ったものは結果で取り返していくしかない。ホークス一筋17年目。松田宣浩はプロ野球人生をかけたシーズンを迎える。オフには球団史上最大タイとなる3億円減の年俸1億5000万円の大減俸(金額は推定)。「ここ2年は、自分でも思うような数字を残していない。強い気持ちを持って戦いたい」。不退転の決意を固めた。

 チームの顔とも言える存在が退団をも考えた。あまりの大幅減俸に自由契約の選択肢も脳裏をよぎったようだ。「合意に至るまでは、相当な時間がかかった。(退団の可能性も)ゼロではなかったと思う」と振り返った。悩んだ末に、もう一度、不動のレギュラーを取り返すことを誓った。「プロ野球の世界は厳しいと思った。結果を出したら評価されるし、結果を出さなければ評価されないのは当然」。自らを奮い立たせる。

 やり残したこともたくさんある。通算2000安打まで残り189本とし、通算1000打点もあと16に迫る。「積み上げてきたものがたくさんある。それがなかったらとっくにやめている」と言い切った。若手の台頭でベンチを温めることも増えた。ただ、9年連続で2ケタ本塁打を記録し、昨季は通算300号も達成した。松田の輝きは必要だ。

 元気印として「熱男」はチームのために戦ってきた。現役生活の分岐点に差しかかり、今季はエゴを求めていく。「自分のために、自分のことを考える。それがチームの勝利やプラスになる」。松田が打てば、チームも活気づき、ファンも盛り上がる。球場一体となった「熱男ー!」。最終的なゴールはホークスのためにある。

写真=BBM
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