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楽天・銀次 被災地で決意新たに/生え抜きの輝き

 

復興への思いは誰より強い


 昨年より増やしたランニングの時間に、強い決意が透けて見えた。1月上旬、沖縄県内での自主トレを公開した銀次。力強くバットを振り込み、約1時間の走り込みも行うなど精力的に汗を流した。

 2月24日に34歳を迎えるベテラン。昨シーズンは主力に定着した12年以降では自己最少の35試合出場に終わった。その原因は2度の長期離脱。春先には手首を痛め、夏には新型コロナウイルスに感染し、万全の状態を保てなかった。

 その反省を決して忘れてはいない。「もう一度体を鍛え直して戦える体にして、今年はやりたい」。これまでもさまざまな練習法を取り入れてきたが、再び鍛え直す覚悟を示した。

 オフには、出身地である岩手県普代村や宮城県気仙沼市、福島県南相馬市など、東日本大震災の被災地を10カ所以上も訪問した。「あの風景を目に焼きつけたので、もう一度自分が活躍してみんなを元気にしたい」と並々ならぬ決意を語った。岩手出身で東北に本拠地を置くチームの生え抜き。その事実を誰よりも理解し、実践しようとしているのが銀次だ。

 1試合1試合に全力を傾け、被災地を勇気や感動を届けたいと語っていたベテラン。プロ17年目も思いは変わらない。「プロである以上はしっかり試合に出ないといけない。レギュラーで出たいし、やっぱり銀次がいないとダメなんだというところを見せたい」と闘志を燃やす。

 本来はライバルとなるはずの鈴木大地を含め、チームメートからの信頼も厚い。完全復活する姿をファンも心待ちにしている。

写真=BBM
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