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ソフトバンク・千賀滉大 集大成で挑む特別なマウンド/いざ、開幕投手へ!

 

「20代の最後、いい1年にしたい」と語る千賀。そのスタートは開幕戦のマウンドから――


 不動のエースが3年ぶりの『定位置奪還』を照準に定める。千賀滉大にとって開幕戦のマウンドは、やはり特別だ。「しっかり取り組んでいく中で、そうなればいい。そこでやらなくちゃいけないというチームの雰囲気ができてからこそ、選ばれたいと思っているので。その資格を得られるように、丁寧にやっていきたいなと思っている」。静かな口調ながらも、エースとしての責任感とプライドをにじませた。

 昨季は4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)で左足首のじん帯を損傷する大ケガを負った。それでも侍ジャパンの一員として東京五輪に出場し、金メダル獲得に貢献。シーズンを通しても6年連続の2ケタ勝利をマークした。これぞ千賀という実力をあらためて見せつけたシーズンだったが、満足感はなかった。「僕自身、ふがいなかったし、納得できるものではなかった。2ケタ勝利も本当にあきらめていた部分もあった」。反省の弁ばかりが口を突いた。

 昨年の契約更改では推定年俸6億円の5年契約(変動制)でサイン。契約破棄が可能なオプトアウト付きという異例の好条件だった。「やらなくちゃいけないなという気持ちが高まった」。順調なら今季中にも海外FA権を取得するだけに、今季がラストイヤーとなる可能性は高い。ここ2年は故障の影響で開幕投手を逃し、その間に「大役」を務めた東浜巨石川柊太らライバルは多いが、有終の美を飾るべく、最高の1年にするつもりだ。「今までの数字を全部ぶち抜くぐらいの気持ちでいきたい」。プロ12年間の集大成を見せつける。

写真=湯浅芳昭
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