石垣島での春季キャンプで、昨季から恒例行事となっている光景がある。全体練習が始まる前の時間に、中村奨吾と
藤岡裕大が
森脇浩司ヘッドコーチから早出ノックを受けている。
キャプテンに就任して2年目。昨季は二塁手として、中村奨はベストナインとゴールデン・グラブ賞に輝いた。いずれも記者当投票によって選手されるタイトルで、周囲からも活躍と実力が認められた証拠だ。
「それは素直にうれしい。獲りたいと思って獲れるものではないからこそ、2つとも獲れたことに価値がある。自信になるし、また獲れるように頑張っていきたい」
攻守走のすべてを高いレベルでこなすオールラウンダー型のプレーヤー。2年連続でベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得することが期待され、目標にもなる。
昨季は4年連続全試合出場を果たした上で、打率.283、9本塁打、67打点、12盗塁をマークした。体の負担が大きな二遊間を守りながら、打率、本塁打、盗塁は自身キャリア2番目の好成績で、打点は自己最高の数字となった。
そんな中でもリーグ8位の打率に加え、同7位の出塁率.382も際立つ。さらなる個人タイトルも狙えそうだが、「1年間戦い抜いて、キャリアハイを目指しながらやった結果、そういうのがついてくればいい」と、あくまでも全試合出場した中で数字を残したい考えだ。
チームは2年連続リーグ2位。背中でナインを引っ張るキャプテンが、タイトル争いに絡むような活躍を見せれば、悲願のリーグ優勝も見えてくる。
写真=高塩隆