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中日・鵜飼航丞 赤丸急上昇の巨漢スラッガー/注目の新戦力

 


 身長182センチ、体重100キロ。駒大からドラフト2位で入団した鵜飼航丞は一軍の沖縄・北谷組に混じっても体型に遜色はない。むしろデカさが目立っていたほどだ。

 第2クール初日の2月5日のフリー打撃で驚愕の放物線を描いた。「しっかりバットは振れていますね」。フリー打撃の32球目。高めの直球を振り抜くと、舞い上がった打球は左中間席最深部の防球ネットを超えていく推定130メートル場外弾。さらに35球目も打球は同じ軌道で場外へ消えていった。

 打ち終わると、ケージの後ろに設置されたタブレット端末に向かい、何やら会話が始まった。画面の中には、新型コロナ陽性判定を受けた立浪監督らと濃厚接触の疑いがあるとして、隔離中の中村紀打撃コーチ。ラインのビデオ通話の機能を使ったリモート指導で「タイミングの取り方が遅い」と指摘された。

「初日からずっと言われていること。差されている打球が多かったし、フリー打撃で遅れていたら試合では打てない。練習なら半分くらいはホームランにできるようにしないと」。並のルーキーなら十分だが、お褒めの言葉はなし。これも期待の大きさを物語る。

 大学時代は下半身の故障の影響で指名打者での出場が多かったが、右翼に入った初のシートノックでは強肩を披露。本塁へノーバウンド送球をみせるなど守備への不安も霧散した。昨季本塁打数リーグワーストの打線の改善は喫緊の課題だ。

 立浪監督がライトとレフトのレギュラーは白紙と公言する中で、期待の大砲が赤丸急上昇となっている。これからのオープン戦で結果を出し続けていけば、開幕スタメンも十分に可能性がある。

写真=BBM
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