首脳陣からの評価は上がるばかりだ。市和歌山高出身のドラフト1位・松川虎生が、「高卒」とは思えない安定感を見ている。
プロ初実戦となった2月15日の
楽天との練習試合(金武)では、代打で中前打をマーク。
吉川雄大の直球に空振りするなど、簡単に追い込まれたが、「体が開いている」と察知すると、フォームを修正して変化球をコンパクトに打ち返した。
守備も上々だ。投手陣をリードしながら、4回無失点に導いた。試合前から「打席はそんなに回ってこないことが多いので、守備のほうが僕はメーンだと思う」と言うように、捕手としての意識が強い。
ユニフォーム姿も頼もしい。昨季まで藤原が背負っていた「2」を着けているが、数字が小さく見える。背中が大きいからだ。身長178センチながら、体重は現在102キロ。プロの厳しいキャンプを経験しながらも、体重もしっかりとキープした。体が非常に強いのだ。
「そんなに年齢は意識していない。自分がやるべきことをしっかりやらないと、そのチームに残れないと思っているので、そういう部分を意識してやっている」
田村龍弘、
加藤匠馬、
柿沼友哉、
佐藤都志也――、実績ある捕手は数多くいるが、開幕一軍を期待する声も挙がり始めている。
井口資仁監督が「松川に関しては総合的なところを見ている。この先が楽しみだね」と期待する。
一般的に、捕手を育てるのには、時間がかかると言われる。まして高校生だ。それでも、この18歳は予想以上に完成度が高い。
写真=高塩隆