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中日・福留孝介 野球を続けられることに感謝/最年長の意地

 


 特別ルールで行われた2月20日の阪神との練習試合(宜野座)。その試合の裏側で福留孝介の姿は、アグレスタジアム北谷にあった。昨季、最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを手にした柳裕也とシート打撃で対戦していた。

 3打席立って、2安打した球界最年長の44歳。エース右腕に対して「もうちょい練習して来いよ」と満足げに笑みを浮かべた。

「この年で野球をやらせていただいているので感謝しています」。この言葉に尽きる。

 大きなモチベーションは立浪監督の存在。入団時は「チームの精神的支柱」で、PL学園高の先輩。「個人的な目標なんてない。チームとして何とか優勝争いに入っていく。そういうシーズンにできたらいい。新しいチームで、自分が少しでも手助けができるようにやっていきます」と目を輝かせる。

 チームメートからの信頼は厚く、居残り練習をしている高橋周や京田、根尾への即席レッスンはよく見られる光景。聞かれたことに対して、ヒントを与えるのが福留流。投手陣から打者の考え方を問われれば、すぐに応える。「聞いてくれば『こう思ってるよ』というのは言います」と笑う。

 優勝争い、そしてV奪回の先に待っているのはビールかけ。「僕も年齢を重ねてきているので、おとなしめにします。そういうこと(ビールかけが)ができれば本当にいいですね」。勢い任せとは正反対。ビールが指揮官の体をゆっくり伝うように、味わい深く。喜びをかみしめる。

写真=BBM
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