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日本ハム・佐藤龍世 “ペッパー師匠”が勝負強い打撃でスタメン奪取へ/レギュラー争いダークホース

 

実戦で結果を出してアピールに成功。移籍2年目の今季、レギュラーの座をつかみ取る


 道産子ニュースターが誕生するかもしれない。西武から移籍2年目の佐藤龍世が、春季キャンプでレギュラー奪取へのスタートダッシュを決めた。起点は、チーム最初の対外試合となった2月8日の阪神との練習試合(宜野座)だ。代打で6回に登場すると、左翼へチーム今季1号となる本塁打を放った。

 新庄剛志監督が打ち出したチーム内の約束事を体現したアーチだった。佐藤は「ピッチャーゴロ打てと言われていたので、ピッチャーゴロを打ちにいきました」と振り返った。具体的にかみ砕くと、追い込まれたらペッパーで打て、という指示。5球目が空振りでフルカウントとなり、6球目の直球を力みなくバットの芯に当てて大きな放物線を描いた。

 ペッパーとは、近距離にいる投げ手が捕れるように軽く打ち返す練習で、きっちりとボールをバットの芯に当てる意識を養う。「カウント3-1のときと同じスイングしてたらやられていたと思う。ピッチャーゴロを、と思っていたおかげで芯に当たって、いい角度で上がった」と、打席内での意識を勉強した佐藤はキャンプ中の実戦で結果を残し続けた。新庄監督も「追い込まれたらペッパーのようにガンガン打ってるから、登録名をペッパー師匠にしようかな」とキャッチーな愛称を付けて評価した。守備も昨季までの三塁や二塁に加えて「投手以外だったらどこでも守れる」と気合十分だ。

 3月2日の本拠地初のオープン戦・ヤクルト戦(札幌ドーム)では、ノーヒットに抑えられていた7回二死三塁から値千金の適時二塁打を放ち、チームの勝利を手繰り寄せた。新庄チルドレンの有力候補が、一気にレギュラーをつかみ取る。

写真=BBM
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