外野陣は12球団屈指の層の厚さを誇る。故障さえなければ、
マーティン、
荻野貴司は当確と言えるだろう。残る枠は1つ。
藤原恭大、
高部瑛斗という若手に加え、
角中勝也、
岡大海、
菅野剛士と実績あるメンバーがそろう。そんな中で昨季、盗塁王に輝いた和田康士朗もレギュラーの座を狙える位置にいる。
「オープン戦ではチームで一番ぐらいの成績を残したい」
昨季はタイトルを獲得したが、起用法は主に「代走の切り札」としてだった。誰にも負けない特徴を持つからこそ、厳しい世界で活躍することができるが、一方で唯一無二の長所があることで、起用法の幅が狭まっている。
これを打開するためには、自らのバットで出塁する確率を上げるしかない。昨年の秋季練習、そして今春キャンプでは福浦打撃コーチと一緒に打撃をつくりあげた。「意識しているのは、タイミングの間」と、右足をしっかりと上げて、軸となる左足に体重をしっかりと乗せながら、投手との間をつくっている。
「打撃練習でも逆方向に打っている。逆方向にゴロとか打てば、何かしらのチャンスがあると思う」
快足を生かすための打撃スタイルと力のこもったフルスイング。レギュラーを獲るための取り組みは昨秋から継続し、徐々に実を結びつつある。2月の練習試合で計19打数5安打2打点、打率.263と食らいついている。
石垣島の春季キャンプでは、井口監督からも一番目立った選手の一人として名前を挙げられた。足と守備は超一級品。課題の打撃を克服し、レギュラー奪取となれば、2年連続盗塁王も自然と視界に入ってくる。
写真=高塩隆