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ヤクルト・村上宗隆 受け継がれるチームリーダーの心得/わがチームのムードメーカー

 



 四番打者としてだけでなく、姿勢でもチームを引っ張っていく。20年ぶりの日本一を達成した昨季、グラウンドには村上宗隆の声が響いていた。
 
 守備の際、ピンチになったり流れが変わりそうになると、すかさず投手に駆け寄って声をかける。熊本・九州学院高時代は捕手だったため「捕手の気持ちも、投手の気持ちもわかる」という村上だからこその行動。攻撃時には誰よりも盛り上がり、ベンチから身を乗り出してナインを称える姿が印象的だった。
 
 昨季の開幕早々、新型コロナウイルスの影響で青木ら一部の主力が離脱。そんな苦境の中でも、ひと際存在感を放っていたのが背番号55だった。当時、若き主砲は「チームの主力の選手がいなくなったときに声を出してチーム一丸で試合がしたいと思っているので、より一層声を出すようにしている」と口にしていた。青木から野球に対する姿勢や声を出して引っ張る重要性などチームリーダーとしての極意を受け継いだだけに、不在時に教えを実践した。

 昨夏の東京五輪で日本代表・侍ジャパンを率いて金メダルを獲得した稲葉監督(現日本ハムGM)は村上を代表メンバーに選出した理由の一つとして「投手に対して声をかけるタイミングであったり、あの若さにしてチームを引っ張る自覚も出てきた」ことを挙げていた。球界を見ても、あの若さで結果を残し、献身的にチームを支える選手は村上ぐらいだろう。

 今季も結果を求められるが、自慢の声でもチームの先頭に立つ。

写真=BBM
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