チームきっての盛り上げ上手は、「持ち味」をあえて封印する。プロ4年間で着実に成長を遂げたプレーだけで、一つしかないポジション奪取に挑む。
昨季は27試合出場、スタメンマスクはわずかに3試合。打率.182、0本塁打に終わった。だが、オフに
原辰徳監督は「今年は岸田を使う」と宣言。岸田行倫自身も「レギュラーを取れなかったらこのまま終わってしまうという気持ちでやりたい。誰よりも目立って、レギュラーを獲るという強い気持ちでいきたい」と鼻息荒く、今季へ意気込む。
兵庫県で生まれ、報徳学園高から大阪ガスを経てプロ入り。コテコテの関西人は、球団公式YouTubeなどで「円陣番長」の異名をとる元気印。昨季は試合前の円陣で何度も声出し役を務め、小道具を使った芸などでナインの爆笑をかっさらった。
そんな中、今季を前に
元木大介ヘッドコーチからは「今年ダメだったら円陣禁止にしてやろうと」と、期待の裏返しとも言えるハッパをかけられた。これを受け、「野球でもっと目立てということ。チームを盛り上げるのも大事だと思いますけど、野球でもっと目立っていきたい」と、脂の乗ってきた攻守で存在感をアピールすると決意した。
しかし、オープン戦では打撃で結果が出ずに苦しんだ。原監督は正捕手争いについて「(
大城卓三が)一歩、二歩リードしていますよ」と評しており、ここから巻き返すには相当なアピールが求められることも確かだ。
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