ただのユーティリティープレーヤーでは終わらない。5年目の宮本丈は内野手登録ながら、外野を守ることもできる万能型。
高津臣吾監督は期待も込めて、こう評価する。
「彼はどこでも守れますし、非常に貴重な選手の1人としか言いようがないです」
昨年の
オリックスとの日本シリーズ初戦。ビジターゲームでDH制だったこともあり、八番・右翼で先発出場を果たした。経験は多くないポジションだったが、二回二死一、二塁の場面で後方への打球をフェンスに激突しながら好捕。その場に倒れ込みトレーナーらに付き添われてベンチに下がった。頭を越えられれば、先制を許していただけにチームを救うビッグプレーとなった。
現時点で、
ヤクルトのレギュラーはほぼ固まっている。ただ、1月に40歳を迎えた青木や外国人選手も全試合をフルで出場できる可能性は低く、昨季までと同様で調整の一環で欠場することもあるだろう。そうなったときに、一番に声がかかりそうなのが宮本だ。
「いつどこでチャンスが来るか分からないので、内外野両方守れるのは強みだと思う。どこかでチャンスがきたときにそこでしっかりつかめるように、毎日準備していきたい」
今春の沖縄・浦添キャンプでは実戦で5試合連続安打を記録し、14打数5安打とアピール。いまはまだレギュラーの壁は高いが、決して越えられないことはない。「(出場)100試合以上を目指してやりたい」と意気込む背番号39が、虎視眈々と機会をうかがう。
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