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中日・山下斐紹 ミットを捨ててバット1本で勝負/節目の年を迎えて

 


 プロ12年目、30歳のシーズンを迎える山下斐紹にとってプロ野球人生が変わるシーズンになるかもしれない。

 移籍2年目。新たに就任した立浪監督に打撃を評価されたところから始まった。昨秋のキャンプ中に命じられたのは「ミットを捨てろ」。捕手を封印し、打撃一本で勝負することが決まった。

 3月5日のヤクルトとのオープン戦(バンテリン)。7回一死一、二塁。ここで捕手として磨いてきた配球の読みが生きた。2球目に石山泰稚の暴投で二、三塁になった。

「真っすぐは絶対に来ないという読みがありました。二、三塁になったので、満塁にしてもゲッツーがあるし、だったら変化球と思っていた」

 カウント3-1から低めのスライダーを振り抜くと、右翼席に飛び込む3ラン。今季のチーム本拠地第1号となった。

 今年にかける思いは体にも表れている。106キロだった体重は11キロ減の95キロ。「何とか絞ってキャンプに来てくれと言われたので。とりあえず夜の炭水化物は取らないようにした」と言う。

 さらに今まで食べなかったサラダにも手を伸ばすようになった。「飛ばなくなったらどうしようという不安もありました」と打ち明けるが、そんな影響一切なしの放物線だった。

 キャンプ中も最も大きな声を出してチームを盛り立てた。「自分もテンションが上がって打撃にもつながる」と効果を口にした。

 左翼について立浪監督は「調子の良い人を使う」と話す。「そこは狙っているところでもあります。自分の結果が出せれば」と山下。開幕一軍は決めた。あとはバットで結果を残すだけだ。

写真=BBM
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