昨年から大きく環境が変わった。オフに育成選手から支配下登録され、背番号は「123」から「62」と約半分の数字となった。入団5年目。大卒ルーキーたちと同世代の森遼大朗が、自身初の一軍登板を目指して奮闘している。
3月15日、
広島とのオープン戦(ZOZOマリン)では支配下登録されてから初めての本拠地登板を果たした。先発で6回途中まで6安打5失点。6イニング目に入り、ボールが高めに入ったところを痛打されたが、それでも5回まで2失点にまとめるなど、ゲームメークする能力を示すこともできた。
「何とかゲームは作れたかなという感じはあります。内容としては、やはり初回の入りと6回の入りというのが課題として見えた。そこを今後どうやって修正していくかというところをしっかりやっていきたい」
昨季はイースタン・リーグで10勝をマークし、最多勝に輝いた。驚くような剛速球はないが、高い制球力と緩急を使える投球が武器だ。今季は先発として一軍争いに割って入ることが目標となる。
井口資仁監督も先発ローテーションの一角に食い込むことを期待し、「丁寧に低めを突く投球をしないと、彼は生きていけない」と、そのための条件を挙げる。
石垣島での春季キャンプから一軍に相当するA組で起用された。過去4年間は二軍キャンプだっただけに、首脳陣からの視線を浴びる機会も増えた。大学に進まず、高校卒業から育成選手として4年過ごしたことについて、「長かったなという半面、濃い時間を過ごせた」と振り返る。
決して遠回りではない。支配下1年目から活躍することで、自身の4年間を実りがあったものと証明する。
写真=BBM