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広島・堂林翔太 「昨年はマイナスではない」30歳、悔しさを肥やしにして/節目の年を迎えて

 

悔しさを胸に、堂林は出場機会を貪欲に求めていく


 昨年8月に30歳を迎えた堂林翔太が、静かに闘志を燃やしている。オフには6年連続6度目となる護摩行を行った。そのときから「今年は昨年の悔しさをぶつける。今年は結果を残すしかない」と悲壮な覚悟を口にしていた。

「悔しかった」と話す昨季は2年連続開幕スタメンをつかんだものの、一軍に定着できず。出場70試合でキャリアワーストの打率.190、0本塁打5打点だった。契約更改後の会見で発した「実力不足」。それがすべてだった。

 今春はキャンプから左翼、一塁、三塁と幅広いポジションをこなしている。「守備位置にこだわりはない。昨年は一軍と二軍を行ったり来たりしてしまった。とにかく1年間チームの戦力であり続けられること、1年間一軍にいるというのは最低の目標」。出場機会を貪欲に求めている。春季キャンプ中には松田元オーナーから「四番を打て」とハッパをかけられたこともあった。堂林自身も「いつも気にかけてもらって、期待してもらって、裏切ってばかり。本当にしっかりしないといけない。四番というのは別にして、期待に応えたい」と、注がれた期待に誠心誠意応える意気込みだ。

 節目の30歳を迎えたが「(体調に)変わりは今のところはない。だが、これから何が起こるか分からない。そこはケアを万全にして、準備を怠らないように」と、年齢に合わせた調整も進めていく。「昨年は決してマイナスではない。今年に生かせばいいと思っている」。悔しさも自身の肥やしとなる。プロ13年目のシーズン。鋭いまなざしが、覚悟の強さを代弁している。

写真=牛島寿人
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