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中日・山本拓実 シュート習得で中継ぎに専念/今季はひと味違います

 


 5年目の右腕・山本拓実が立浪監督から指令を受けたシュート習得で新境地を引き開く。進学校の兵庫・市立西宮高からドラフト6位で入団したのが2018年のことだった。

 過去4年間で計28試合登板。首脳陣から中継ぎへの転向を薦められた。春季キャンプ中盤、朝食会場で指揮官に呼び止められた。

「シュートを投げてみたら? 落合ヘッド(兼投手コーチ)が得意だから聞いてみると良いね」

 今季の飛躍を目指す右腕。名球会員で野球殿堂入りした球団レジェンドからのアドバイスを実践する。すぐに落合ヘッドに相談し、握りを教わり、投げてみた。

「初めて投げました。手首をひねるイメージがあったのですが、そんなことはなかったです。少しだけ曲がる軌道のボール。感覚も良かったので続けていきたい」

 落合ヘッドからは「もう投げられる。初日で完成やな。俺は1カ月かかった」と冗談交じりに声を掛けられたという。

 試行錯誤していた。身長167センチの小兵。同じく上背のない谷元に願い出て自主トレをともにした。「体を目いっぱい使って、まず気持ちで負けないように。そこからは技術。球種も増えたので、バッターとしっかり勝負できるようにしたい」と山本。

 3月20日に行われたロッテとのオープン戦(バンテリン)ではイニングまたぎにも挑戦。2回を無失点に抑えて開幕一軍切符をつかんだ。今季はここまで3試合に登板している。

 立浪監督の信条は「氣」。大柄な選手に負けたくない思いは誰よりも強かった。中継ぎとして、その存在感を少しでも高めていきたい。

写真=BBM


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