オープン戦で打ちに打ちまくった。オープン戦首位打者となる打率.393をマークし、初の開幕スタメンをつかんだ高部瑛斗。リードオフマンとなる一番の大役を務めた。
就任5年目を迎えた
井口資仁監督は「(荻野)貴司がいない以上、そこのポジションに入ってくる」と昨季不動の一番として最多安打、盗塁王の2冠に輝いた荻野が出遅れていることから、2022年チームの最初の打席を、プロ3年目に任せた。
過去2年は二軍で結果を残しても、一軍に定着できなかった。そんな殻を打ち破るために、高部は今春の石垣島キャンプからバットを振り続けてきた。そしてもがき苦しみながらも、打席での独自のアプローチの仕方が完成しつつある。
「2ストライクに追い込まれても、どういう打球がいいのかとか、自分なりに考えがまとまってきた。昔ならば、2ストライクになったら四球を選ぶためにカットしていたけど、打ちにいってファウルとか、だんだんとよくなっている」
自慢の快足も打力が上がれば、さらに生きる。3月20日の
中日とのオープン戦(バンテリン)で7回に四球で出塁すると、すぐさま二盗に成功。続く
マーティンのボテボテの二塁内野安打で一気に本塁まで生還した。
チームには荻野と
和田康士朗が昨季盗塁王に輝いたが、高部も二人に負けないスピードを誇る。
「今年は最初から開幕スタメンを意識してやってきた。シーズンが始まっても、オープン戦と同じようなことができるようにやろうと思います」
安田尚憲、
藤原恭大、
山口航輝ら、年下の野手陣が注目されてきた中で高部が大きな輝きを放っている。
写真=BBM