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オリックス・後藤駿太 多くの葛藤を力に変えて「欲が出てきたなと思います」/今季はひと味違います

 


 目の色を変えて、必死にアピールを続ける。後藤駿太が、オープン戦で結果を残し続けて開幕一軍切符を勝ち取った。オープン戦は10試合に出場し、23打数10安打の打率.435と好調をキープ。今春29歳を迎えた2010年のドラフト1位が、今季こその意地を見せている。

 昨季に国内FA権を取得。シーズンオフには、権利を行使せず、残留を決めた。

「プロ野球の世界に入って、なかなか取れない権利。もちろん、自分なりに考えることはいろいろありました。現役でやっている以上は、どんな形でも試合に出ないと、やっぱり面白くない。僕はそこに飢えていたんです」。スタメン出場を熱望。ベンチスタートの日々は葛藤があった。

 昨年の日本シリーズでは登録メンバーに入ったが、ベンチには入れなかった。

「心の中でベンチ外と分かsっていて、練習するのも難しかった。すごくしんどかった。だから、ロッカーで試合を見ていて、悔しかった。みんなが活躍して、うれしい気持ちも……どっちもあった。こんな気持ち初めてでした」

 6試合を見届けると、胸中が燃えた。歓喜の中で、にじんだ悔しさを知った。さまざまな葛藤の中で「入団からここまで育ててくれたチームを日本一に導ける男になりたい」と残留を決断した。

 かつてレギュラーをつかんだ男は言う。「息子と一緒に野球の動画を見たりもします。画面に出てくる僕を見て『パパだ〜』と、もっと言ってほしい。あらためて、欲が出てきたなと思います」。愛息に背番号8の勇姿を焼きつける。

写真=BBM
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