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DeNA・知野直人 食らいついた決めた!初の開幕一軍入り/今季はひと味違います

 

スタメンに抜擢された開幕戦では失敗もあった。この経験を次につなげていく


 今年に懸ける思いが成長を加速させた。知野直人は春季キャンプから懸命のアピールを続け、初の開幕一軍を手中に収めた。「勝負の年」と位置付ける4年目。飛躍への準備は整った。

 昨季に一軍デビューを果たすと、5月26日のオリックス戦(横浜)でプロ初安打を本塁打でマークするなど36試合に出場。一軍入りを果たした今年のキャンプでは石井琢朗野手総合コーチから連日の熱血指導を受けた。守備では基礎からたたき込まれ、全体練習後はひたすら振り込み。厳しい練習で着実に力を付けていった。

 信頼を勝ち取るため、今年は打撃スタイルを変えた。パンチ力があるがゆえに大振りが目立ったが、「長所を1個捨ててでも結果を出さないといけない」とコンパクトに逆方向を意識した打撃に変更。このスタイルが、進塁打を重視するチーム方針にマッチ。走者が一塁にいればしぶとく一、二塁間を破ってチャンスメーク、三塁に走者がいればきっちり外野フライを放つ。求められる役割を遂行し、存在感を高めていった。

 同じ遊撃手で切磋琢磨してきた森敬斗がオープン戦で両足を痛めて離脱。「チームでカバーしあうことが大事。僕がカバーできたら」と後輩の思いも背負って競争に食らいつき、石井コーチを「オープン戦で一番成長を見せたのは知野」と認めさせた。

 内野の全ポジションを守れるユーティリティー性も武器で、出場機会は確実に増えるだろう。「森みたいに華があるわけじゃない。粘って何とか食らいつく姿を見せる」と泥くさく、チームのために戦っていく。

写真=大賀章好
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