小学生以来の主将を任された。指名した
立浪和義監督は「他の人が一目を置いて、緊張感を持てる人にやってもらいたい。人を叱れる人であってほしい」と説明した。マイペースな36歳。開幕間もなく、真価が試された。
DeNAとのホーム開幕3連戦でスイープを食らった3月31日。指揮官から、野手限定のミーティングの指示を受けた。大島洋平は「僕は司会進行役になりました」。チームには球界最年長の
福留孝介がいるが、大島が各選手の考えを引き出し、時折、福留が解決策やアドバイスを伝える形で行われたという。
結果が伴ったのだから、意義ある時間になったのだろう。翌日4月1日からの
広島3連セ戦(バンテリン)でチームは3連勝。いずれも1点差を制した。翌2日のゲームでは4安打を放ち、通算250盗塁を決め、お立ち台にも立った。
延長12回の同点三塁打を放った場面では、ベンチに向かってガッツポーズ。普段やらないパフォーマンスは、盛り上げ役として「ベンチキャプテンな」と指名した山下からの要望を受けたからだ。
試合前のアップで「タイムリーを打ったときくらいガッツポーズしてくださいよ。ベンチが盛り上がりますから」とお願いされていた。元々持っていた「試合中だから派手なことはしないように」という考えとは異なる。分かった上で「盛り上がるなら」と引き受けた。そして打った。
もの言う主将への大転換。36歳。遅すぎることはない。必要に迫られたとき、人はキャラ変する。4月13日の
阪神戦(バンテリン)では延長10回裏に5年ぶりのサヨナラ打。4月18日現在で打率.397とセ・リーグの首位打者を走っている。
写真=BBM