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西武・水上由伸 最高の武器はまったく落ち込まないメンタルの強さ/スタートダッシュに成功

 

新型コロナウイルスに感染し、現在は離脱しているがチームに欠かせないリリーフとなった水上


 育成選手としてスタートしたルーキーイヤーの昨季、5月には支配下登録となり、6月11日に一軍デビュー。以後、17試合連続無失点とパ・リーグ新人記録を樹立した水上由伸へ注がれる今季の注目度は絶大だ。

「正直、途中から疲れていました」と本人が振り返るとおり、昨季は記録が途切れた9月から徐々に感じ始めた疲労が投球にダイレクトに影響を及ぼし、9月は8試合3失点、防御率3.68、10月は5試合4失点、同8.31と精彩を欠いた。ただ、一方で、ほぼシーズン通して一軍で投げ続けられたことは、この上ない収穫だった。

「疲れてくると、真っすぐがシュート回転してしまう」という悪傾向に気付けたほか、「落ちるボールが必要」だということも痛感。今春キャンプでもフォークボールの精度向上に多くの時間を費やした。そのかいあって、試合で自信を持って使える球種の1つに加わり、昨季以上に投球の幅が広がっている。

 自身にとっての今季最大の目標であり、首脳陣に期待されている役割でもあるのが、勝ちパターンでの勝利貢献だ。「8、9回には平良(平良海馬)、増田(増田達至)さんがいるので、僕はその前をひっそりと投げたい」と言葉は控えめだが、実際の存在感は開幕から非常に大きかった。リード、ビハインドの状況にかかわらず、勝敗を分かつ僅差の勝負どころで起用され、期待に応え続けていた。

 たとえ打ち込まれても、「打たれちゃった。はい、次!」とまったく落ち込まないメンタルの強さは最高の武器。「最後まで勝ちパターンのまま50試合以上投げて、必ず昨季以上の結果を出します」。4月25日に新型コロナウイルス感染が球団から発表されたが、復帰後にふたたびマウンドで躍動するのが楽しみだ。

写真=BBM
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