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楽天・早川隆久 「これという武器がない」。勝負球を磨く2年目左腕/スタートダッシュに成功

 

さらなる上を目指す


 圧巻の投球で今季2勝目を飾った。

 4月8日の日本ハム戦(札幌ドーム)で早川隆久が、7回を投げて2安打無失点の好投。石井一久GM兼任監督も「質の高い投手ほど真っすぐをストライクゾーンに投げ込んでいき、自分の有利なカウントに持っていって勝負ができる。その辺ができていた」と及第点を与えた。

 開幕2連勝を支えた要因の一つが縦に落ちるスライダーだ。昨季は新人ながら9勝をマークしたが、自己採点は「0に近い」と唇をかんだ。さらなる成長のために掲げたのが勝負球の習得。「これという武器が自分にはない。三振を奪いたいところで奪える変化球を技術的に磨けたら」と、指揮官の現役時代のようなスライダー習得を目指してきた。

 この試合の7回先頭では、松本剛を鋭く落ちるスライダーで空振り三振。7回をピシャリと抑えたが、「思っていたようにスライダーを投げられたので良かったなと思いますけど、確率をもうちょっと上げていければ」とさらなる成長を誓った。

 昨季は中盤以降につかまる場面が目立ち、クオリティースタート率は39.1パーセントだった。球数を減らす意味でも、新球の習得が欠かせなかった。今季は3試合の登板を終えただけとはいえ、いずれも7回を投げ切ってクオリティースタート率は100パーセント。成長した姿を見せている。

 ただ、現状に満足するつもりはない。今季の目標は2ケタ勝利。日本ハム戦では3回に連打を浴びたことを挙げ「改善したい」と目線を高くした。

 22日の西武戦(ベルーナ)では山川穂高の一発に泣き、初黒星を喫したが、7回4安打1失点と粘りの投球。防御率0.86は4月24日時点でリーグ3位の好成績だ。順調なスタートにも慢心することなく、さらにギアを上げていく。

写真=BBM
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