「チームの顔」になる。好調のチームを引っ張っているのが吉川尚輝だ。開幕から23試合のうち出場した22試合のすべてに「一番・二塁」で先発出場。
原辰徳監督がずっと探し続けてきたトップバッターとして定着しつつある。
「必死にやっているだけ。いい日もあれば悪い日もある。一日一日をしっかり準備してやっていきたい」
プロ6年目の今季は開幕直後こそ調子が上がらなかったものの今では首位打者争いを演じるまでになり、打線の斬り込み役としてチームをけん引。指揮官は「尚輝はすごい、守備もいいしね。打ってよし、投げてよし、走ってよし。非常にこのところ、存在感が出てきた」と成長に目を細めている。昨季までと同様に、驚異的な守備範囲を誇るフィールディングで投手を助ける場面も多い。
指揮官はオープン戦で
丸佳浩、
松原聖弥らさまざまな選手を一番に起用してトップバッターを模索してきた。「一番バッターは『チームの顔』なんだから、毎日出ることが大事。観察能力、一発長打。(投手にとって)嫌なものを持っていること」と求める働きは高度なものだが、一番を託された吉川は見事に期待に応えていると言える。
オフには
DeNAの
森敬斗にお願いされる形で行った合同自主トレで積極的に助言を送るなど、いつの間にか目標とされる存在にもなってきた。今季から背番号「2」を背負い、「今年は1年間、出続けなきゃいけない」と自覚は十分。正二塁手の座を不動のものにするシーズンを、まずは順調に滑り出した。
写真=BBM