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オリックス・杉本裕太郎 夏場での本領発揮へ道はバットで切り拓く/“春の誤算”喜怒哀楽

 


 昨季32発を放ち、本塁打王に輝いた杉本裕太郎が“2年目のジンクス”にもがいている。今季、開幕から不振に陥ってしまった。

 開幕から四番に座るも、4月1日の日本ハム戦(京セラドーム)では今季初の五番起用となった。苦しむ主砲は、初回一死満塁から左前へ適時打を放って「もがいている途中。今日みたいな打ち損じが良いところに飛ぶこともある。切り替えて頑張ります」と力を込めた。

 1月の広島での自主トレから、ともに汗を流す先発右腕の山岡泰輔とお立ち台に上がり「今日、試合前に『そろそろ打てるよ』と言ってもらえた。打って恩返しがしたい」と目を潤ませた。

 自身31歳の誕生日だった4月5日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で初のバースデーアーチを放ち「結果を出すのが仕事。(試合に)勝てるように頑張ります」。26日の日本ハム戦(東京ドーム)では今季初のマルチ安打と復調の兆しを見せていたが、27日には新型コロナ陽性反応で隔離療養中と、苦しい日々を過ごしている。

 4月中旬には打順が八番まで落ちた。中嶋聡監督からは「もう、お前には期待していない」と愛のあるイジりを受けた。自分自身には「まだ始まったばかり。これ以上、迷惑かけないように頑張ります」と言い聞かせた。

 春の誤算とはなったが、まだまだ巻き返しはできる。昨季の本塁打王は、アーチを描いた後に、ベンチ前で右拳を突き上げる「昇天ポーズ」を連発してきた。

 夏場での本領発揮へ──。「楽しく野球をやりたい。この歳になって、プレーを続けられることにありがたみを感じています」。打つしか、道はない。

写真=BBM
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