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広島・遠藤淳志 好投手との投げ合い、感謝の白星を経て/“春の誤算”喜怒哀楽

 

開幕先発ローテをつかんだ遠藤は、新たな経験を積んでいる


 うれしい誤算になったのは遠藤淳志だ。6枠の開幕先発ローテーションに6番目で滑り込んだ。春季キャンプ中から直球のキレが良く、右腕も「今年は調子がいい」と手応えを感じたほどだった。

 4月3日、今季2度目の登板が右腕にとって大きな一戦となった。敵地・バンテリンでの中日戦に先発。相手マウンドは昨季最優秀防御率と最多奪三振の投手2冠に輝いた柳裕也が上がった。遠藤も6回1失点と好投したが、柳はその上をいく。9回無失点で12球団一番乗りの完封勝利。「先に点を取られないようにと思っていたが、最後点をとられて悔しい。柳さんは抜けた球がなかったのが素晴らしかった」と脱帽。だが、「価値ある1敗になった」と一線級の投手と演じた、堂々の投手戦に胸を張った。

 翌週の10日の阪神戦(甲子園)では8回途中無失点の好投。2020年11月4日以来522日ぶりの勝利を収めた。「ホッとしている。去年は苦しんだが、久々に勝てた。周りの人に感謝したい」。白星をつかみ、心のそこから喜んだ。佐々岡真司監督も「去年は期待した中で期待外れの登板もあった。今年の遠藤は春(キャンプ)から違うものを見せてくれていた」と、力をつけた5年目右腕に満足そうだった。

 先発ローテ確定は開幕の1週間前だった。しかし、今ではどっしりとその座を固めている。開幕時は日曜に登板を重ねたが、ローテ改造に伴い、前回はエース・大瀬良につなぐ木曜日の登板に。最後の最後に“居場所”をつかんだ右腕が、快投を重ねていく。

写真=BBM
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