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中日・阿部寿樹 ラストシーズンの覚悟で/“春の誤算”喜怒哀楽

 


 開幕2日前の3月23日、開幕から二塁のレギュラーを任される予定だった高橋周平の左足首捻挫の一報が球団に入った。代役は昨季まで二塁を守った阿部寿樹。ふたを開ければ阿部が全試合スタメンに名を連ね、やがて五番に定着した。

 立浪和義監督から「一番きつい五番でよくやってくれている」との評価を得た。主砲ビシエドの低調も手伝って、背番号5は今や欠かせない戦力となっている。

 阿部はどう考えているのか。「もともとは周平がいて、僕は試合に出られない立場だったので。人のことを気にしても仕方がないので、ゲーム復帰した周平がウエスタン・リーグでどうなのかは、特に気にしていません」。

 ラストシーズンだと思って臨んでいた。「今年ダメなら仕方ない、というのもあって……」。昨季の打率は.209。年齢は32 歳。3年目・石川昂弥の三塁起用で、高橋周は二塁へコンバート。「試合に出られるならどこでもやります」。外野グラブを手に取り、春季キャンプでは左翼にも挑戦。ベンチから出場機会をうかがうつもりだった。

 腹を決めたら強いとはこのことか。開幕から好機で打つから頼もしい。27試合を終えた5月2日時点で打率.295、得点圏打率は.400。「1試合、1試合、周りのことは気にせず、頑張っていきます」。余計なことは言わない。岩手出身の東北人。黙々と練習し、コツコツとヒットを放つ。

写真=BBM
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