プロ21年目のシーズンが“スタート”した。42歳左腕・石川雅規が、4月23日の
阪神戦(神宮)で6回3安打無失点と好投。今季初勝利を挙げ、笑みを浮かべた。
「今季1勝目を目指して勝利ボールを家族に持って帰りたいと思ってマウンドに上がりました。バックもナイスプレーをしてくれて、最高のゲームでした」
また偉大な記録を残した。大卒新人から21年連続勝利となり、昨年自身が作った記録を更新。プロ野球記録の23年連続勝利も見えてくる中で「1人ではできない数字。ファンの皆さんとサポートしてくれる裏方さん、監督、コーチのおかげでマウンドに立つことができた」と周囲への感謝を忘れなかった。
これで178勝目。大目標の通算200勝にも一歩近づいた。大きな1勝となったが、まだ始まりにすぎない。チームでは
奥川恭伸が開幕早々に上半身のコンディション不良で離脱。先発事情は決して楽ではない中、ベテランの役割も重要になってくる。
高津臣吾監督は同戦で決勝打を放った40歳の
青木宣親とともに石川について「もちろん他の選手も頑張ってくれていますが、ここぞというときに頼りになるのはいろんな経験をしてきた人になるのかなと思いました」と評価。積み上げてきた実績の分だけ厚い信頼が寄せられている。
石川の投球術は唯一無二。体は大きくなく、球は速くないが「自分の特徴を生かせたら野球はできると思っていた。ぶれずに今後もやっていきたい」。続く5月4日の阪神戦(甲子園)では、5回無失点で179勝目。武器を最大限生かし、まだまだ第一線で力を発揮する。
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