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日本ハム・加藤貴之 驚異のストライク率で90球完封劇/これぞプロの技

 

今季の与四球わずか2とテンポの良い投球を武器とする


 超省エネ快投にBIGBOSSも大絶賛した。4月19日の楽天戦(楽天生命パーク)に先発した加藤貴之が今季初の完封勝利を挙げたが、要した球数は90球。1イニング平均が10球、対戦したのは29打者で1人当たりなら約3・1球しか投げなかった計算となる。ヒーローインタビューで「野手の方のいいプレーもありましたし、宇佐見の配球もあったし、良かったです」と振り返ったが、プロ相手に淡々と凡打を打たせ続けること自体が、スゴ技だ。

 これぞ、真っ向勝負だった。テンポ良く、ストライクゾーンに投げ続けた。90球の内訳はストライクが66球、ボールが26球で実にストライク率は73・3パーセント。投球の軸は140キロ台前半の直球。キレが抜群で球速以上の力強さがあり、スライダーやカットボールにフォークを加えて100キロ前後のスローカーブもきっちりと制球。楽天打線に最後まで的を絞らせなかった。

 BIGBOSSも満面の笑みで加藤が披露したプロの快投をたたえた。メジャー・リーグでは100球未満の完封勝利を得意としていた名投手にちなんで“マダックス”と呼ぶことを引き合いに「“カドックス”。安心感バリバリありましたね」と絶賛。マダックスと対戦経験のある指揮官は「(加藤の)何がいいって、あのカーブ。バッターからするとカーブってめちゃくちゃ見えるから、打てる気がして手を出したらゴロってパターン。まさにカドックス」。メジャー通算355勝の大投手に似た加藤の投球術に舌を巻くほど、最高峰の技術が詰まった完封劇だった。

写真=BBM
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