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広島・西川龍馬 狙った1球は逃さない! 秀でた打撃センスを持つスラッガー/これぞプロの技

 

開幕時が一番で、現在は三番で持ち前の勝負強さを発揮する西川


 1球で仕留めるプロの技を見せた。開幕3戦目の3月27日のDeNA戦(横浜)。1点を追う9回二死満塁で、打席に向かったのは西川龍馬だった。マウンドには山崎康晃。初球の内角151キロを見送った。「1球見逃したときに本来の(山崎)康晃さんに戻っていた。球の力強さが」。ストッパーの球威を感じ、変化球に的を絞った。「真っすぐは捨てていった。どこかでツーシームで誘ってくるなと思った」。右腕の代名詞とも言えるキレ味鋭い1球に、狙いを絞った。

 2球直球が続きカウントは1−1。3球目にそのツーシームが来た。真ん中低め。見逃せばボールかという球に体勢を崩されながら腕を伸ばす。白球は前進守備の中堅手を越える3点適時三塁打。逆転の一打に三塁上で拳を掲げた。「たまたまです。狙いどおりですけど」。ニヤリと笑う背番号63の逆転適時打は、見事に読んだ配球と対応力が実を結んだプロの技術だった。

 同様のシーンは4月20日の巨人戦(東京ドーム)でもあった。0対0の5回にC.C.メルセデスの内角球を芯でとらえた。打った瞬間、豪快にバットを投げ、手応えを示した。厳しいコースだったが、右腕をたたんで右翼席上段に1号2ラン。「インコースの真っすぐ1本に絞って。どこかでインコース来るかなと思って、それ以外は空振りOKで(打席に)入った。一発で仕留められた」。ヤマを張ってスイングし、それでいて結果を出す。秀でた打撃センスを持つスラッガーだからこそできる打撃に、今後も目が離せない。

写真=榎本郁也
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