5月14日のDeNA戦[横浜]では6回2失点の粘りの投球で今季4勝目を挙げた青柳。エースとしてチームをけん引している
開幕から出遅れた
青柳晃洋が最多勝男の看板どおりの投球で自身のスタートを切った。今季のここまでの投球は、かつての制球難でハラハラさせた姿はまったく見られない。今季初登板になった4月15日の
巨人戦(甲子園)では8回7安打1失点で初勝利を挙げた。開幕投手に内定していたが新型コロナウイルス感染で3週間遅れの開幕だった。
2019年から先発ローテーションに定着。今ではサイドハンドから打者の手元で変化するボールを操りながら、ゴロの山を積み重ねるのが真骨頂だ。2戦目になった4月22日の
ヤクルト戦(神宮)の完封勝利では17個のゴロアウトを獲って、昨季4勝1敗と成績を残したツバメキラー健在ぶりを見せつけた。
変化球の球種別では得意のツーシーム、スライダーの順で多いが、シュート、カーブも含めて、それをコースに投げ分ける投球術を身につけた。
「前は常に全力で四球を出しても打者を抑えればいいという考えだった。でも今は7、8割で投げてしっかりゲームを作るというふうに変わってきた」
4月29日の巨人戦(東京ドーム)も「少しでも長いイニングを投げたい」と9回6安打2失点で投げ切った。自身初の2試合連続完投で3勝目をマークする安定感だった。5月6日の
中日戦(バンテリン)では9回まで完全投球を続けていた
大野雄大と投げ合い、14日のDeNA戦(横浜)では6回2失点で4勝目。リーグトップの防御率1.09を誇る。
本人が「流れを変えるピッチングがしたい」といって臨んだ22年シーズン。チームの借金返済に向かって大黒柱がフル回転する。
写真=BBM