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西武・増田達至 モットーは「一球一球、一人一人」。勝利に欠かせないクローザー/序盤戦MVP

 

一昨年のセーブ王・増田。今季は安定感のある投球を続ける


 長い間、ライオンズは「打のチーム」だと言われて続けてきた。だが、今年は違う。5月24日現在(以下同)、チーム防御率はリーグトップの2.53。さらにリリーフ防御率にいたっては、12球団の中でもダントツ1位の1.70を誇っている。

 数字が証明するとおり、今季ライオンズのブルペン陣は、全体的に非常に安定している。そのブルペン陣を、成績面でも精神的支柱としても力強く牽引しているのが守護神・増田達至だ。昨季、プロ9年目にしてキャリアワーストの成績に終わった。その最大の原因となったケガをオフ期間に完治させ、10年目の今季を万全の状態で迎えた。

 新型コロナウイルス感染や故障などで出遅れてしまう選手や離脱を余儀なくされた選手もいた中で、リリーフ陣最年長投手は一度も穴を開けることなくフル稼働。開幕から8試合連続無失点、ここまで17試合でわずか1失点、防御率0.53と盤石だ。5月1日のオリックス戦(京セラドーム)では通算150セーブも達成し、序盤戦は充実の投球を見せた。

 また、成績だけではない。個々の成績が良いからというのもあるが、今季のブルペン陣は非常に明るく、先輩後輩の隔たりもなく、とにかく雰囲気がいい。その要因を、ほとんどの中継ぎ投手が「増田さんが若手とも積極的にコミュニケーションを取ってくれているおかげ」だと口をそろえるように、何気なく仲間たちが実力を存分に発揮できる環境を作っている点でも貢献度は非常に高い。

 モットーは「一球一球、一人一人」。これからもライオンズの勝利には背番号「14」が欠かせない。

写真=BBM
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