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広島・堂林翔太 スタイルを貫き、自身もチームも再燃/序盤戦MVP

 

再び鋭いスイングで、自身もチームも押し上げていきたい堂林


 新たな斬り込み隊長を担ったこの男も、序盤戦MVPの1人と言えるだろう。開幕から三番で起用され続けていた小園海斗が打撃不調。小園を下位打線に落として代わりの三番にはそれまで一番を務めていた西川が。空いた一番に入ったのが堂林翔太だった。それまでは代打出場も多かった堂林だが、「バットが振れている」と担うことになった。

 今季初めて一番に起用されたのは4月23日のDeNA戦(マツダ広島)。トップバッターを務めるのは2020年11月7日の阪神戦(同)以来、1年半ぶりとなった。「甘い球を積極的にいくのが僕のスタイル。特に深くは考えずに(試合に)入った」と、気負いはなかった。3回二死二塁ではバックスクリーン左へ特大の1号2ラン。本塁打も実に540日ぶりと久しぶりだ。この一打が決勝点になり、「いい感触だった。懐かしい感じがしました」と自虐気味に笑った。佐々岡真司監督も「期待に応えてくれる久びさのホームラン。大きかった」と目尻を下げた。さらに指揮官は続けた。「今日みたいにチャンスをものにすれば使うのは当然」。

 そこから「一番・堂林」が固定される形に。5月7日のDeNA戦(マツダ広島)まで12試合連続での起用。11試合連続安打を放つなど、期待以上の仕事を果たした。その間、チームは6勝6敗だったが、本人は「自分がやるべきことをやっているだけ。右方向に安打が出て、自分としてもいい傾向」と結果に納得の様子だった。スタートダッシュから一段落つき、再びエンジンをかけるという段階で、背番号7が果たした役目は大きなものだった。

写真=榎本郁也
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