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ソフトバンク・藤井皓哉 第2のプロ野球人生はハイスピード/中継ぎ投手の戦い

 

戦力外から1年5カ月、再び輝きを放つ藤井


 一度はNPBを離れた苦労人が、いまや救援陣に欠かせない存在となった。開幕3戦目、3月27日の日本ハム戦(PayPayドーム)。2点リードで迎えた5回に3点を奪われ勝ち越され、なおも一死満塁の場面で出番は巡ってきた。三番手としてマウンドに登ったのは藤井皓哉。このわずか5日前に育成から支配下入りした右腕は、ヌニエスから外角低めの151キロの真っすぐで見逃し三振を奪うと、続く佐藤龍世も150キロの真っすぐで三ゴロに仕留め大ピンチをしのいだ。

 度胸満点の投球で球場の雰囲気を一変させると、直後の攻撃で味方が逆転。藤井は広島時代の2018年6月6日の日本ハム戦以来、1390日ぶりのプロ2勝目を手にし、チームの開幕3連勝に貢献した。「4年も空いたので初勝利のよう」。6年間在籍した広島から20年限りで戦力外通告を受け、21年は独立リーグの四国IL/高知でプレー。ソフトバンク三軍との試合での好投がフロントの目に止まり、育成選手として入団した。春季キャンプ途中から一軍に昇格すると、好アピールを続け支配下登録。「ここからがスタート」と、鼻息荒く第2のプロ野球人生を開幕させた。

 150キロ超の直球と鋭いフォークで強気に攻めるスタイルもあり、藤本博史監督からの評価も高く、開幕から貴重な中継ぎの一角としてフル回転の働きを見せている。登板15試合目となった5月18日の西武戦(那覇)では、この時点でハーラートップタイとなる4勝目をマーク。6月1日の巨人戦(東京ドーム)では自身初セーブを挙げて、球団の通算5500勝に貢献した。「自分の想像をはるかに超えるスピードでここまで来ている」。苦労を味わった分、強い輝きを放ち続ける。

写真=BBM
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