先発としても、クローザーとしても実績十分な西野勇士が今季はセットアッパーを務めている。昨季、ブルペン陣を支えた
唐川侑己、
国吉佑樹、
佐々木千隼らが出遅れたこともあり、開幕直後から新外国人・
ゲレーロとともに守護神・
益田直也につなぐ8回を任されることが多い。
「手術明けで(昨年までの)実戦の数が多いわけではない中で、いいところで投げさせてもらっている」
開幕先発ローテーション入りが内定していた2020年の開幕直前に右ヒジを痛めてトミー・ジョン手術を受けると、そこから2年連続公式戦登板なし。それでも地道なリハビリを前向きに取り組んできたことが、しっかりと実を結んだ。
4月12日の
ソフトバンク戦(長崎)では0対0の8回を3人斬りで0点に抑えると、打線が直後の9回に一挙3点を奪い、2019年9月7日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム、現PayPayドーム)以来となる948日ぶりの勝利を挙げた。
当初は先発での復帰を目指していたが、これまであらゆる役割をこなしてきた経験がチームを救っている。
井口資仁監督も「今季はリリーフで行ってもらう」と一年間、ブルペンを支えてもらう方針だ。
直球の球速も150キロを超えている。
「手術する前より良くなっていると思う。とにかく、痛みなく腕を振れている」
交流戦が入る前の段階で、16試合に登板し1勝7ホールド、防御率2.25は期待どおりと言えるだろう。
二軍では将来のエース候補と期待される
種市篤暉もトミー・ジョン手術からの復活を目指している。一軍で西野が躍動する姿は、そんな後輩も勇気づけている。
写真=BBM