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西武・宮川哲 試行錯誤の末、見つけた“脱力方法”で増した“たくましさ”/中継ぎ投手の戦い

 

3年目の今季は安定したピッチングを続けている宮川


 宮川哲がたくましさを増して帰ってきた。2020年にドラフト1位で入団し、49試合、2勝1敗13ホールド、防御率3.83の成績でチーム3位に大きく貢献したが、昨季は大事な場面でリリーフ失敗が重なり、6月21日に登録抹消。以後、ファームでも状態が上がらず、そのままシーズン終了を迎えた。「去年は1年間、良いときが一度もありませんでした」。

 そんな苦悩の毎日を過ごす中で、懸命に不振の原因を探り、たどり着いたのが「力み」だった。昨季は、「ストライクが入らない。ストライクを取りにいく、打たれる、という悪循環になっていて、自分で勝手に力んでいた」ということを自覚。さらに「もっと言えば、1年目の途中から力みだしていたのに、それをそのままいってしまったので、去年はキャンプの最初からグチャグチャになっていた」と、うっすらと気付きながらも、気付かないふりをしていた己にも直面した。

 そして、コーチ陣や増田達至武隈祥太ら経験豊富な先輩らの助言を受けながら、今度こそごまかさずに徹底的に課題と向き合った。試行錯誤の結果、「投げる前に天井を見る」、「四球を出しても0点で抑えればいい」という考え方など、自分なりの脱力方法を見い出すに至った。

 迎えた今季は、初登板から9試合連続無失点を記録するなど、6月6日現在、19試合に投げて防御率2.25と好調だ。また、性格的にも人懐っこく、先輩、後輩問わず誰からも絡まれるイジられキャラで、投手陣に漂う好雰囲気づくりにも欠かせぬ存在となっている。「去年は去年ですが、去年の分もという思いもある」。シーズン通して安定感を維持し、これまで以上の信頼を勝ち取ってみせる。

写真=BBM
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