出遅れを取り戻すかのように、しっかりとした投球を見せる森浦
昨季チーム最多54試合に登板した
森浦大輔が勝ちパターン入りへ、奮闘を続けている。今季は春先につまずいた。最速150キロに迫る直球を持つが、オープン戦では130キロ後半。「直球のキレがなかった」と開幕は二軍で迎えた。
一軍合流は4月22日と遅れた。とは言え、「直球のスピードも、キレも取り戻せてきた」と自信を持っての昇格。初登板こそ失点したが、以降は6月1日現在、無失点投球を続けている。昇格当初は左のワンポイントや、負け試合などの起用にとどまったものの、5月22日の
中日戦(マツダ
広島)では1点リードの8回に登板するなど、徐々に信頼も上げてきている。
8回はそれまで中継ぎ陣にとって鬼門の1つだった。6月1日現在、イニング別の失点数は8回が最多の37失点。
中崎翔太や
島内颯太郎などがその役目を期待されたが、定着には至らなかった。ともに、今はファームで調整を続けている。そんなこともあってか、森浦自身も「めちゃくちゃ意識した」と8回に登板した一戦を振り返った。
佐々岡真司監督も同様に「7、8、9(回)に課題がある」と中継ぎ陣の整備を急いでいる。
現在「8回の男」に適した者はいない。相手打者やその日の調子に左右されている。森浦は「まずは与えられた場面で」と少しずつ結果を出していく意気込みだ。「ゆくゆくは(勝ちパターンにも)入りたいが、その試合、その場面をしのぐことが第一」。勝ちパターンの確立こそチーム浮上のカギを握る。大卒2年目の左腕が、その一角を担えるか。アピール、奮投はまだまだ続く。
写真=早浪章弘