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DeNA・三上朋也 「手札を全部使って」打者を抑えにいく/中継ぎ投手の戦い

 

イニングまたぎをはじめ、あらゆる状況でマウンドに上がる三上


 キャリアを重ね、立場や役割は変わってきた。年齢層の若いDeNAにおいて、33歳は投手陣最年長。ここまで9試合の登板にとどまっているものの、三上朋也の考えがブレることはなかった。「年齢はコントロールできないことなので……。チームに求められていることを理解して、その中で自分ができることをやるしかないと思っています」。抑えの三嶋一輝が離脱中の救援陣。エドウィン・エスコバー山崎康晃で勝ちパターンを形成する現状では、ビハインドでの起用が主だ。

 プロ1年目の2014年にいきなり21セーブ。新人では当時の球団新記録だった。チームに長く横たわってきた「守護神問題」を解決させ、翌年からは山崎へバトンタッチ。ブルペンには欠かせない存在として、114ホールドを積み重ねてきた。フル回転の代償だろう。右ヒジのクリーニング手術を受けた19年から2年間でわずか16試合と出番が減少。昨年は3年ぶりに40試合登板をクリアし「勢いだけで成績が安定する世界ではない。考えて、もがいて、自分の手札を全部使って、抑えないといけない」と決意を新たにした。

「筋肉痛が翌日ではなく、2日後に出たり。トレーニングにしても、体の反応の出方が変わっている」と冷静に現状を受け止めてきた。例えば週2日、重い負荷をかけていた筋力トレーニング。それを毎日に変え、負荷を軽量化する工夫を凝らしている。「勝ちたいし、プロに入った以上は優勝したい。どんな役割でも、とにかくチームに貢献したい」。山崎をはじめ、多くの後輩から慕われる兄貴分。静かに熱く燃えている。

写真=川口洋邦
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