今季から中継ぎに転向した5年目の清水達也がチームに欠かせない存在感を見せている。 開幕3戦目となった3月27日の
巨人戦(東京ドーム)。同点の9回裏、一死一塁からマウンドに向かった。
「緊張がすごかった。夢中でしたね。シビれる場面というのが昨年までなかったので、ありがたさとうれしさもありました」。後続を切ると延長10回にチームは勝ち越し。立浪ドラゴンズ初白星は、清水にとっても忘れられない1勝となった。
入団以来、先発として練習を重ねてきたが、本人の思いは別にあった。「いずれは8回とか9回を任される投手になりたいという思いがずっとありました」。中継ぎ転向が決まったのは2 月の春季キャンプ中だった。
落合英二ヘッド兼投手コーチから直接伝えられた。150キロの直球に落差のあるカーブとスプリットが武器。交流戦までに16回で14奪三振。三振が奪えるのはリリーバーとしての資質を感じさせる。
目標は
浅尾拓也二軍投手コーチ。お手本は身近なところにいた。「二軍にいたときから、浅尾さんに自分は中継ぎをやりたいと話していました。シーズンが始まってからも『どういうメンタルでいるんですか?』と一番にアドバイスを求めました」。
その浅尾コーチからは「緊張するのは当たり前。序盤はリラックスして試合を見て、いざとなったらしっかり準備する」と声を掛けられた。
あこがれに近づくために目の前の一球一球に集中する毎日だ。
立浪和義監督も序盤戦を振り返り「清水が大事なところで投げられるようになったのは収穫」と目を細める。伸び盛りの22歳だ。
写真=BBM