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DeNA・倉本寿彦 試合へのアプローチ、準備を大切に/ユーティリティーの極意

 

今季から一塁をこなすなど、あらゆる場面でチーム貢献する


 準備と努力は裏切らなかった。倉本寿彦へのご褒美だった。「(外野フェンスを)越えてくれと思いながら走っていました。素直にうれしいです」と声を弾ませたのが5月5日の中日戦(横浜)。7点リードの8回、森博人の初球カットボールをガツンとたたいた。風にも乗った打球はバックスクリーン右へ着弾。自身2年ぶりとなる今季1号ソロを運んだ。

 昨年は46試合の出場にとどまった。5月9日の阪神戦(横浜)で二ゴロを放ち、セーフになろうとヘッドスライディング。懸命に伸ばした左手が一塁ベースに引っかかった。診断は左手薬指の脱臼と剥離骨折。3カ月半の離脱を経験した。かつて定位置としていた遊撃は大和柴田竜拓が守り、若手の森敬斗らも台頭。チーム内での役割も変化していった。

「試合に出られることに意味がある。いつでもどこでも行ける準備をしないといけない」。プロ3年目だった2017年は遊撃手として、レギュラーシーズンから日本シリーズまで全156試合にフルイニング出場。阪神から大和がFAで加入後は二塁へ回り、最近は三塁手としても幅を広げていた。そして今年2月の練習試合で一塁起用。初体験のポジションだった。

 経験豊富な田中浩康内野守備走塁コーチを頼り、細かな動きや感覚を体にしみこませた。「試合へのアプローチ、準備の大切さを教わりました」とは幼少期からあこがれ、背番号5を受け継いだ石井琢朗野手総合コーチへの感謝だ。6月6日に登録を抹消されたが、ここまで本職でない一、三塁の守備固めでも一定レベルの力を発揮。難役と向き合い、出番を待つ。

写真=高塩 隆
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