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DeNA・森 敬斗 待ちに待った一軍合流、チーム浮上の起爆剤に/離脱組の現状

 

6月4日の楽天戦では今季初打席で初安打を放った。チーム浮上のキーマンの1人だ


 レギュラー奪取は思わぬ形で遠のいた。春季キャンプ最終日の2月27日、森敬斗をアクシデントが襲った。巨人とのオープン戦(那覇)で走塁中に転倒。右太もも裏の肉離れと左足首の捻挫の重症だった。「開幕スタメンを勝ち取って、1年間レギュラーとして出たい」と遊撃の定位置獲得を誓って迎えた3年目は悔しい船出を余儀なくされた。

 キャンプでは連日、今季加わった石井琢朗野手総合コーチから熱血指導を受けてきた。基礎的な守備練習から始まり、日が暮れるまでバットを振った。負傷前日の日本ハムとのオープン戦初戦(名護)では3安打と成長を感じさせた矢先で、開幕一軍は絶望的に。三浦監督も「状態が良かっただけに痛い」と言ったように、チームにとっても離脱は痛恨だった。

 スピードが売りの選手の脚の故障だけに、慎重にリハビリは進められた。5月17日のイースタン・リーグの巨人戦(ジャイアンツ)で実戦復帰し中前打。その後は段階を踏んで出場イニングを伸ばしていった。

 今季、佐野恵太宮崎敏郎ら主力が故障から復帰した際は二軍で数試合出場して一軍に戻った。しかし森の場合は状況が異なる。三浦大輔監督は「レギュラーを取っていたわけではないし、立場が違う。一軍が確約されているわけではないし、結果を残して競争」と二軍で好成績を残すアピールを求めてきた。

 そして、交流戦の終盤6月4日に一軍合流を果たした。森の武器である走力はチームの得点力を大きく押し上げる可能性を秘めている。今季中にポジションをつかみ、飛躍の年とできるか。

写真=桜井ひとし
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