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ソフトバンク・井上朋也 「本当の四番」に向けての確かな歩み/待たれる一軍デビュー

 

現在リハビリ中の井上だが、パワーアップして戻ってきてくれるはずだ


 ドラフト1位の誇りを胸に、19歳が虎視眈々と一軍での活躍を狙っている。2年目の井上朋也が強烈なインパクトを残したのは、今春のキャンプ。オフから今季の三塁レギュラーは、昨季終盤の34試合だけで7発ものアーチを放った若き大砲候補・リチャードと、実績十分のベテラン・松田宣浩の2人で争われると目されていた。だが、そんな注目の「争い」に、割って入ったのが“ダークホース”の井上だった。

 埼玉・花咲徳栄高から2021年ドラフト1位入団し、1年目の昨季は夏場から二軍での出番を増やしてウエスタン・リーグ45試合で打率.246、3本塁打をマークした。当時、二軍監督として「将来が楽しみ」と期待した藤本博史監督は、春季キャンプで井上をA組(一軍)に抜てき。井上も思いに応えるように、序盤から好アピールを続け、紅白戦では2日間で1本塁打を含む6打点の大暴れも見せた。対外試合でも勢いは落ちず、実戦8試合で20打数9安打、そのうち長打が6本と大器の片りんを思う存分示した。

 オフから「競争」を掲げていた藤本監督も「すごくいいものを見せてくれた」とキャンプ中に何度も名指しで評価した井上の台頭もあり、三塁争いはオープン戦中盤まで“延長”されたほどだ。惜しくも開幕一軍入りこそ逃したが、ウエスタン・リーグでは開幕戦から序盤は四番を任され、2戦目ではサヨナラ打もマーク。ホークス、ジャイアンツで四番を張った小久保裕紀二軍監督からは「上(一軍)でも打てる、本当の四番にしていかないと」。英才教育を受けながら、デビューのときを待っている。

写真=湯浅芳昭
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