
内野守備のスペシャリストがプロ10年目で自身初のサヨナラ安打も放った
BIGBOSSの下で、守備職人から攻守の切り札へ進化しようとしている。
谷内亮太は昨季、106試合出場ながらスタメン出場は9試合。ただ、今季はすでに13試合でスタメン出場(6月29日現在)。一からの競争を促したBIGBOSSではあるが、どの役割でも仕事を果たしている谷内だからこそ、出場機会が広がっている。
打撃ではプロ初のサヨナラ打を放った。6月10日の
中日戦(札幌ドーム)の延長11回二死二塁の場面。「自分の打球なので取られるかなと思いましたが、抜けてくれ、と走っていました」という打球は、日頃の鍛錬の成果も乗り移って前進守備のセンターの頭を越えた。笑顔で駆け寄ってくるチームメートにもみくちゃにされ、「とても感動しました」。
この日の出番は代打から。同点の9回先頭で打席に立ったが出塁できず、延長戦のサヨナラ機で2度目の打席が回った。「そういう場面で打席に立つこともあまりないですし、ああいう場面で行かせてもらったので、何とかしたい、期待に応えたいと思って打席に立ちました」。信じて送り出してくれたBIGBOSSの思いにも応える一打だった。
守備でも堅実さは健在。今季も内野全ポジションを守り、ファンの間ではSNSなどで「振り返れば谷内がいる」と好守のたびに盛り上がる。今季はバットでも沸かせて存在感がアップしているが、
日本ハムへ移籍する前年の2018年はイースタン・リーグで打率.332。もともと攻守で期待されて迎え入れられた谷内が、真価を発揮し始めた。
写真=BBM