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楽天・銀次「甘い球を一発で」。勝負強さの裏にあるもの/切り札はオレだ!

 

持ち前の打撃センスを発揮中だ


 5月26日の阪神戦(甲子園)。0対0で迎えた9回二死一、三塁。代打で打席に入ったのは、銀次だった。守護神・岩崎優の直球をはじき返すと、打球は左翼で弾んだ。決勝の適時打を放つと、堂々と右手を突き上げた。「最高。久しぶりに、いい打撃をしたなという感じがしました」。チームを5カードぶりの勝ち越しに導くと、満足そうに笑った。

 同日の試合前までの代打成績は、10打数7安打6打点。「代打の神様」と呼べるほどの好成績を残せた理由は、好球必打にあるという。「甘い球を一発で仕留めるのが今年のテーマ。芯に当たってのいい打球には、まったくこだわってないです。打てるボールをしっかり打ちにいく」とうなずいた。

 先を見据えた準備が今につながっている。29歳から、自ら「3カ年計画」を位置づけ地道な肉体改造に取り組んだ。股関節や肩甲骨の可動域を広げるなど、柔軟性を高めることを意識し、「その上で強い筋肉をつくる。動ける筋肉をつくった。一からやり直してトレーニングした」。

 狙いの一つは「どんなときにでもすぐに動ける体をつくる」こと。本拠地の楽天生命パークでは、雨で試合が中断することも少なくない。仮に試合が中断して体が冷えた場合などでも、最高のパフォーマンスを出せるような肉体を目指してきた。

 6月上旬からはスタメンでの出場機会が増えたが、石井GM兼任監督は「役割を果たしてくれている」と信頼を寄せる。魅力は勝負強さだけではない。生え抜きのバットマンは、これからも安打を量産する。

写真=BBM
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