ここ一番で「足のスペシャリスト」が魅せる。俊足を誇るオリックス佐野皓大が、試合終盤の切り札になる。
佐野皓は2014年秋のドラフトで3位指名されて投手として入団。17年オフから野手に転向した。20年には20盗塁を記録し「(足は)自信がありましたね。盗塁技術はなかったんですけど、オリックスに入ってから、いろいろな方に教えてもらって上達してきました」と胸を張る。
しみじみと17年オフの野手転向を振り返る。「僕は足が速くなかったら、野手になっていなかった。一軍で使ってもらえることもなかったと思う。一つ武器があって、本当に良かったと思います」。自身の最大の武器を試合で披露する。
登録は外野手だが、試合出場に飢えており、今オフにはファーストミットを発注した。1試合でも多く、試合に出場し、勝利に貢献するため「僕は、すぐ決断しますね。やってダメだったら、そこでやめるって感じです」と常にチャレンジを続けていく。
5月末には、子どもが2歳の誕生日を迎えた。
「落ち込んだり、ミスしたときは家族がいてくれたほうが、気持ちが楽になります。自分だけじゃないんで、そこでまた頑張ろうという気持ちになれますね」
テレビ画面に映る選手たちを指さし「みんなのことを『パパ』と呼んでいるそうです」とにこやかに笑う。
俊足に加え、スイッチヒッターで、外野の守備範囲も広い。「立場的にも、とにかく試合に出て、存在をアピールしていきたい」。快足をぶっ飛ばす。
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