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ヤクルト・田口麗斗 チームを支えるミスターゼロ/切り札はオレだ!

 

気迫あふれる投球はファンを熱くさせる


 あの20球は、多くのファンの脳裏に焼き付いたはずだ。5月24日の日本ハム戦(神宮)。1対1の延長10回無死満塁と絶体絶命のピンチでマウンドに上がったのは、田口麗斗だった。気迫あふれる投球で後続を3人で抑え、見事に無失点で切り抜けた。

 「開き直らないといけなかった。1点を争うゲームでしたし、すごく均衡していたので、いい切り替えができて目の前のバッターに集中できたのかなと思います」

 何度も何度も拳を握り、雄たけびをあげた。先頭の清宮幸太郎から空振り三振を奪うと、続く万波中正の打席では自己最速を更新する151キロを計測。「たまたま良かっただけなので、こういう状態を多く出せるようにしないといけない」と謙虚に振り返ったが、無心で左腕を振り抜いて自身の力を解き放ち、遊直に。最後、巨人時代の同僚でもある宇佐見真吾を高めの直球で空振り三振に仕留めると、スタンドから万雷の拍手が送られた。

 高津臣吾監督は「うちの切り札だから」と全幅の信頼を置く。6月18日の広島戦(神宮)では、1点リードの7回二死満塁でマウンドへ。こちらも巨人時代の先輩・長野久義を打席に迎え、空振り三振。指揮官は「ここは田口だと思って投げさせました。すごくしんどいところばかりですけど、本当にいい仕事をしてくれています」と目を細めた。

 交流戦で優勝し、好調のチームを支えている強力なリリーフ陣。その中でも、7月3日時点で26試合に登板し防御率0.00を記録する田口の安定感は際立っている。

写真=BBM
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