大山が打てばチームのムードが一変する。それだけの力を持っているだけに後半戦もこの勢いで打ち続けていくはずだ
後半戦の上位浮上に向けて心強いのは
大山悠輔の覚醒ぶりだ。前半戦は特に6月から打ちまくって、今までにない安定感が打撃に表れてきている。
「チームに貢献できているかなとは思うけど、僕一人だけの結果じゃない。全員が、仕事ができているからだと思います」
開幕は七番スタートだったが、徐々に調子を上げると、打順も五番、四番と繰り上がった。佐藤輝のあとを打つ五番定着は、6月1日の
西武戦(甲子園)からだった。
交流戦ではまるで打撃開眼したかのように打ちまくった。6月3日の
日本ハム戦(甲子園)で1試合3本塁打の離れ業を見せると、相手ベンチのBIGBOSSから拍手を送られるほどだった。
1992年ラッキーゾーン撤廃後の甲子園での1試合3本塁打は大山で6人目。
阪神の日本人選手では2009年の金本(知憲)以来13年ぶり、右打者に限っては99年に清原(和博=
巨人)が放って以来だ。
交流戦で7本塁打を含めた長打力を見せつけた大山だが、きっかけは初戦になった5月24日
楽天戦(甲子園)で
田中将大の外角スライダーを決勝打にしたことだろう。
前を打つ四番・佐藤輝の存在について大山は「あの飛距離はうらやましいけど、張り合ったらフォームを崩してしまう」と色気を出さずにしぶとく打ち続ける。
大山は「シーズンはまだ半分ぐらいある。油断するよりしないほうがいい。これからです。もっとできると思っています」と頼もしい。真の姿を見つけて後半戦も暴れまくる。