持ち前のミート力を発揮したいところだ
思わず笑みがこぼれた。7月3日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)。7対0で迎えた6回一死満塁の好機。
岡島豪郎が初球の直球をはじき返すと、打球は中前で弾んだ。今季初打点に「打てて良かったです。自分も(チームの)流れに乗れて良かったです」とニッコリ。14対1の快勝に貢献し、充実感をにじませた。
初打点で見せた笑顔の裏には、理由がある。キャンプ目前の1月下旬、体調不良で離脱。その後も思ったように回復せず、2カ月以上も実戦に出場できなかった。二軍で実戦への出場を果たしたのは4月19日。今季初の一軍昇格は6月25日だった。
「打席にも結構立っているので、タイミング的にここらへんで一軍に行ってもらおうと。心技体、整った。実績もあるし、上でやるべき選手。その場所(一軍)にいてほしいなと思った」と
石井一久GM兼任監督。昨季、チーム最高となる打率.280をマークした巧打者の復帰を喜んだ。
故障の影響で出遅れた20年シーズンは8月に復帰し、同月に月間打率.333をマークした。人一倍責任感が強いだけに、出遅れた分も取り返したい思いが強い。「僕自身、常日ごろから言っていることではありますが、自分のできることをしっかりやること。そこに関して(シーズンは)あと半分くらいしかないですが変わらずに、ぶれずにやっていければと思います」と意気込む。
ミート力はチーム随一の実力を誇る。野手陣はもちろん、投手陣からの信頼も厚い。帰ってきたバットマンが、夏以降で巻き返しを狙うチームの起爆剤となる。
写真=BBM