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日本ハム・田中瑛斗 育成から再出発の苦労人が先発の新星となれるか/後半戦のキーマン

 

七夕の7月7日ロッテ戦(ZOZOマリン)に、77球の熱投でプロ初勝利をつかんだ


 先発陣の新たな星となりそうなのが5年目右腕の田中瑛斗だ。7月1日に支配下登録され、7日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初先発初勝利。ヒーローインタビューでは「この景色を見たくてプロ野球を頑張ってきていた」と感慨深く話した。3年ぶりの一軍登板でしっかり試合をつくった投球にBIGBOSSも「根性が据わっているな」と絶賛だ。

 今季は育成選手として再出発していた。3年目に右ヒジを痛めて手術。リハビリ明けの昨季は二軍で実戦復帰を果たしたが、オフに戦力外通告を受けて育成契約に切り替わった。「そういうヤツこそ、チャンスをもらったときに強いんだぞってところを見せたかった」。七夕に77球の熱投でつかんだ初勝利のベースには、成長した精神的な強さもあった。

 心技体がようやくそろった今季、ポテンシャルの開花は間近だ。140キロ台後半から150キロ台の直球と同じ球速帯でシュートとカットボールを操り、スライダーやフォーク、カーブなど球種も多彩。大胆に内角も攻められる勇気や気迫を前面に出す気持ちの強さなど、エースとなれる資質も十分に持ち合わせている。

 今季2度目の先発となった7月19日オリックス戦(京セラドーム)は4回までに5失点も、あえて5回のマウンドに上がった。山田勝彦監督代行も「後半戦、引っ張っていってほしい若い選手。1イニングでも長く投げさせてほしいと投手コーチからもお願いがあった。今日の反省を後半戦に生かしてほしい」。有望株が躍進できれば、競争心が増すチームは上昇ムードに乗るはずだ。

写真=BBM
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